3月下旬から塗り続けていた「憧れのお部屋」。
ついに完成しました。
完成がこちら。
背景に全て持っていかれちゃいました。
今日は、ここまでの塗り方を、過去記事も交えながらご紹介します。
イメージは殺人事件に登場する建物
私は小説の金田一耕助シリーズが大好きです。
その中の「女王蜂」という作品に登場する建物を元に、今回の配色を決めました。
映画DVDも持っています。
私の記憶では、作品に登場する唐風の建物は内装の壁が鮮やかな赤色、ふすまの枠や格子は黒というイメージでした。
が、改めて市川崑監督の映画を見返したところ、 思っていたよりも壁が赤くない。
赤っぽいんだけど、くすんでて全然色鮮やかじゃない。
なぜ私はあんなに鮮やかな赤だと思っていたんだろう?
調べてみたら、私がイメージしていたのはドラマ版の方だったことが判明。
2006年に稲垣吾郎主演で放送された「女王蜂」。
このドラマに出てくる建物の内装こそ、まさに壁が色鮮やかな赤色でした。
公式HPがないのでリンク等貼れませんが、気になる方は「女王蜂 稲垣吾郎」で画像検索してみてください。
ドラマの予告画像で建物の雰囲気がわかるかと思います。
「憧れのお部屋」のこのページを見たときに、「女王蜂」の内装をイメージして塗ったら面白いんじゃないかと思い、赤色と黒色をメインで塗ることに決めました。
使用画材
ポリクロモスの詳細はこちらをご覧ください。
ふすまは桜模様を描き込み
ふすまは赤く塗ろうと決めていたんですが、こんなに面積があるのにただ塗るだけではつまらないなと思い、桜模様を描くことにしました。
そんなに難しいものは描けないので、単純な花びらのみですが。
ふすま(赤色)の使用色は次の4色。
・127 PINK CARMINE(赤)
・159 HOOKER'S GREEN(緑)
・226 ALIZARIN CRIMSON(赤)
・142 MADDER(赤)
塗った順番で記載しています。
最初に【127】で薄く桜の花びらを描き、ふすま全体を少しずつ侵食するように塗ります。
花びらの中ではなく周りを塗り、白く花びらが浮き上がるようにします。
ふすまの枠に沿って少し影をつけるイメージで、緑色【159】を重ねます。
上から、濃い赤色の【226】、【142】を重ねます。
最後に【127】で色の境目をなじませて完成です。
こんな感じになりました。
なお、今回はこのふすまを含めて全体的にかなり塗り込んでいます。
こちらの記事でも塗り込みについて詳しくご紹介しています。
金色をアクセントに
配色のメインは赤と黒ですが、さすがにその2色だけでは寂しい。
そこで、豪華さを出すためにアクセントに金色を入れることに。
色鉛筆の「金色」を使うのではなく、自分で金色っぽい色を作ることに挑戦しました。
金色の塗り方についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
ふすまは全然金色っぽくありませんね^^;
我ながらよくやった!と思ったのは金髪のこけしちゃん。
こけしは金髪も似合うようです。
女の子に使った色数18色
今回配色や背景が結構派手で現実味に欠けるため、女の子だけはまともな配色にしました。
肌色
肌色は全然そんな風に見えないかもしれませんが、実は7色使っています。
・132 LIGHT FLESH(下地、メイン)
・189 CINNAMON(下地、メイン)
・145 LIGHT PHTHALO BLUE(影部分)
・109 DARK CHROME YELLOW(影部分)
・283 BURNT SIENA(影部分)
・106 LIGHT CHROME YELLOW(影部分)
・130 DARK FRESH(チーク)
肌色にこんなに色を使ったのは初めてで、かなり迷走しました。
必死すぎて途中経過も撮り忘れてしまいました。
こちらの画像を撮影した後、前髪付近のオレンジ色が気になったため軽く消しゴムをかけて修正しました。
今回、肌色は何色を重ねても意外と大丈夫なことがわかりました。
次に人物を塗るときは、肌色作りをもう少し研究してみたいです。
髪の毛
髪の毛は、色鉛筆の黒色を使わずに黒髪を表現することを目指しました。
詳しい塗り方はこちらをご覧ください。
服装
今回の配色で、黒、赤、金色(黄色)ときてもう1色緑色を足すことにしました。
女の子のトップスは緑色、スカートは白色です。
トップスは緑色3色で塗りました。
色鉛筆をくるくると塗ってみたところ、もこもこした感じになりました。
スカートは白ですが、何も塗らないのも寂しいので、影部分に灰色を入れました。
スカートの色はとても悩みましたが、女の子を取り巻く周りの色がとにかく派手なので、もう色は入れるまいとシンプルにしました。
肌色に7色、髪の毛に7色、服に4色、合計で18色も使いました。
果たして18色も使った意味があったのかはわかりませんが、可愛くできたのでお気に入りです。
ストーブが茶筒に見える
女の子のトップスと同様に、ストーブも緑色メインで塗りました。
こちらは明るい緑色ではなく、ちょっと暗い渋めの緑色です。
使用色は次の3色。
・165 JUNIPER GREEN(緑)
・193 BURNT CARMINE(赤)
・267 PINE GREEN(緑)
塗った順番で記載しています。
3色とも渋めの色を使用しました。
影部分に赤色【193】、緑色【267】を使い、緑色【165】で色の境目をぼかしなじませています。
ストーブを緑で塗ったところ、渋めの色も合間って茶筒のようになりました。
格子も同じ色で塗っています。
ベースに緑色の【165】、影部分に赤色の【193】、緑色の【267】を重ねました。
格子の影は、矢印部分のような感じで重ねています。
この後、色の境目を緑色の【165】でぼかしています。
格子の完成図はこちら。
光源がむちゃくちゃですがそこは見なかったことにしてください。
板の間
色鉛筆で線を引くように塗ったところ、いい感じの木目が出来上がりました。
塗り方の詳細はこちらをご覧ください。
ツヤのある黒を表現したい
今回このページで1番難しかったのは黒色でした。
ただ黒で塗りつぶすのではなく、反射するようなツヤのある黒色を表現したかったのですが、これが本当に難しかった……!
黒塗りには次の4色を使用しました。
・232 COLD GREYⅢ(灰色)
・199 BLACK(黒)
・249 MAUVE(紫)
・264 DARK PHTHALO GREEN(緑)
女の子の髪の毛を塗ったときに、紫色や緑色が見え隠れしているのがいいなーと思ったので、ここでも使いました。
ふすまの枠部分は、木目が見えるようなツヤをイメージしました。
板の間を塗ったときのように、木の繊維が見えるような塗り方をしました。
棚は漆のようなツルンとしたツヤを出したかったんですが、これが1番難しかったです。
「黒 漆」で画像検索をし、途中何度か失敗しながら出来上がったのがこちら。
ツヤのある黒は、白と黒の境目がはっきりしているのかと思っていましたが違いました。
白から黒へとグラデーションになっていたのです。
今回は白(塗らない)と黒の間に灰色を入れてグラデーションに近づけてみました。
また、棚の縁を白残しするとそれっぽく見えるようです。
これまた反射するところがバラバラですが、見なかったことにしていただければ……。
イラスト部分を一通り塗り終わりました。
背景
最後に背景です。
「女王蜂」の壁が赤かったので、背景は絶対赤色にするぞと決めていました。
さすがに全て赤色で塗るのは厳しいしつまらないので、ふすまと同様に桜の花びらを白抜きすることにしました。
使用色はふすまで使った赤色3色です。
桜の花びらを【127】でランダムに描きます。
花びらの周りを塗っていきましょう。
花びらの周りを【127】でざっくり塗ります。
花びらの周りを【226】で塗ります。
花びらの周りを【142】で塗ります。
先ほどよりも狭い範囲に重ねます。
最後に、色の境目をぼかすように【142】を重ねます。
ふすまほどは塗り込んでいないつもりだったんですが、改めて全体を見ると結構塗り込んでいましたね。
完成!!
中心のイラスト部分を色々頑張ったのに、最後に背景を塗ったら全然目立たなくなりました。
また、差し色に金色(黄色)と緑色を入れたら明るい雰囲気になり、「女王蜂」とは似ても似つかないイメージになりました。
でもやりたいことは全部できたし、何より楽しかったので満足です。
そして色々と勉強になった1ページでした。
今回全体に桜模様を入れたんですが、春だし季節に合ってていいなと思いきや、北海道の桜が終わる頃の完成となりました。
桜に間に合いませんでしたがいつものことです。
これが私の通常運転なので大丈夫です。
最後に全体の経過をまとめてみました。
こうやって見比べてみると、変化が面白いですね。
終わりに
予想以上に長い記事になってしまいました。
お付き合いくださってありがとうございます。
金田一耕助シリーズは以前から塗り絵に取り入れてみたいなと思っていたので、実現できて嬉しかったです。
まさかこういう取り入れ方になるとは思いませんでしたが……。
少し前になりますが、「お手本にしたいので憧れのお部屋を塗ってほしい」というリクエストをいただいていました。
思いついてから塗るスタイルのため、かなりお待たせしてしまいましたね。
とりあえず、私が塗るとこうなります(笑)。
他の方が塗られてるようなオシャレで可愛いお部屋は、私にはあんまり期待しない方がいいかもしれません。
次からは人物メインの塗り絵を塗っていきたいと思います。
ではまた次回〜。
こちらの記事もどうぞ