白い色鉛筆の使い方についてご質問をいただいたので、「私だったらどう使うかな?」と考えてあれこれ実験しています。
実験①②はこちら。
今日は最後の実験。
塗り絵で印刷された黒い線を、白い色鉛筆でどこまで消すことができるか?
そしてそれを踏まえて、葉っぱの葉脈の黒い線を消して塗ってみたり、透け感を意識した塗り方にチャレンジしてみました。
【目次】
実験で使用したもの
色鉛筆
私が持っている色鉛筆の中から、三菱色鉛筆880、ポリクロモス、プリズマカラーの油性色鉛筆3種類を使います。
紙
紙は、ジョハンナ・バスフォードさんの塗り絵本「フラワーズ」の巻末にあるテストページを使いました。
テストページがあると、塗り絵本の本誌と同じ紙で試すことができて便利ですね〜。
白い色鉛筆で黒い線を消してみた
塗り絵本「フラワーズ」のテストページに印刷されているイラストを使って、白い色鉛筆で黒い線をどこまで消せるか実験してみました。
三菱色鉛筆880
矢印の示す葉っぱの黒い線を、白い色鉛筆でなぞってみました。
おお〜、こんな感じになるのね。
黒い線が少し薄くなりました。
ポリクロモス
三菱色鉛筆880よりも少し白が濃いかな?というくらい。
こちらも黒い線が少し薄くなりました。
プリズマカラー
先ほどの2つよりも、黒い線がかなり薄くなりました。
さすがプリズマカラー。
黒い線を完全に消すことはできませんでしたが、ここまで薄くすることはできました。
3つを比べるとこんな感じになります。
三菱色鉛筆880、ポリクロモスを使った時点で「結構消えるんだな〜」と思っていましたが、プリズマカラーを使った途端に、先2つの黒い線があまり消えていないように見えるという不思議現象を味わいました。笑
結論として、3種類とも黒い線を完全に消すことはできませんでした。
黒い線をどれくらい薄くしたいかにもよりますが、しっかり薄くしたい場合は、この中ではプリズマカラーの白が1番みたいです。
プリズマカラーの白に色を重ねることはできる?
先ほどの実験で、プリズマカラーの白が黒い線を1番薄くすることができるとわかりました。
あれ?黒い線をプリズマカラーの白で薄くした後に、その上から色を塗ることはできるのかな?
そんな疑問が出てきたので、プリズマカラーの白の上から、3種類の色鉛筆の赤色を塗ってみることにしました。
三菱色鉛筆880
円の中にプリズマカラーの白色を塗ってから、三菱色鉛筆880の赤色を重ねました。
何の問題もなく塗ることができました。
円の下に単色でも塗ってみたんですが、白の上から塗り重ねた方は少し色が薄く、ピンク色っぽくなっていますね。
ちなみに前回の実験でマスキングを試したんですが、三菱色鉛筆880の白色の上から色を塗っても、こんなにしっかり塗ることはできませんでした。
ポリクロモス
先ほどと同じように、円の中にプリズマカラーの白色を塗ってから、ポリクロモスの赤色「ALIZARIN CRIMSON(226)」を重ねてみました。
こちらも問題なく塗り重ねることができました。
実験なので多少塗り方が荒いことと、下に白い色を塗っていることから、きめ細かくキレイに塗ることはできませんでした。
しかし、前回のマスキング実験で、ポリクロモスの白色の上から色を重ねてもこんなに色が乗らなかったことを思うと、プリズマカラーはすごいなと感じました。
プリズマカラー
プリズマカラーの白色の上から、同じプリズマカラーの赤色「MAGENTA(PC930)」を重ねました。
こちらは前回のマスキング実験でもわかっていたので、問題なく重なりました。
ただ、やはり単色で塗ったときの色と比べると、少しピンク色っぽくなりますね。
以上の実験から、プリズマカラーの白色の上から、3種類の色鉛筆どれも色を重ねることができるとわかりました。
次は、実際にプリズマカラーの白で黒い線を消して色を塗ってみたいと思います。
葉っぱの葉脈の黒い線を消して塗ってみた
使った色鉛筆はこちらの3色。
ポリクロモス
・159 HOOKER'S GREEN(緑色)
・249 MAUVE(紫色)
プリズマカラー
・PC938 WHITE(白)
葉脈の線を白色で薄くしてから、葉っぱの根元に紫色を塗り、全体に緑色を重ねます。
白色・PC938で、葉っぱの中の葉脈の線をなぞります。
先ほどの実験でも確認したとおり、黒い線を完全に消すことはできませんが、黒い線の色はかなり薄くなりました。
葉っぱの根元に紫色・249を塗ります。
色を濃くするために、根元に紫色を仕込んでおきます。
全体に緑色・159を塗ります。
緑色を塗るときに、白色でなぞったところで少し引っかかりを感じましたが、どうにか塗ることができました。
葉脈の線を消さずに塗った場合と比べてみました。
う〜ん……どうじゃろか……。
葉脈の線を消さなかった場合と比べると、確かに葉脈の線の色は薄くなっていますが、黒い線を薄くするという白色の効果が、上から色を重ねたために半減してしまったような気がします。
う〜ん!難しい!
透け感を意識して塗ってみた
次に、反対側の葉っぱのイラストで、白い色鉛筆を使って透け感を意識して塗ってみました。
使ったのはこちらの色鉛筆。
上から3つは先ほど葉っぱを塗ったときと同じです。
これに、
ポリクロモス
・129 PINK MADDER LAKE(ピンク)
・119 LIGHT MAGENTA(薄いピンク)
の2色を追加します。
葉っぱの上に円を薄く描きます。
「円を通して葉っぱが透けて見える」という表現にチャレンジします。
円の線をピンク色・129でなぞっておきます。
葉っぱは緑色、円はピンク色に塗ります。
円の中の葉っぱの黒い線を白色・PC938でなぞり、線の色を薄くします。
先ほどは葉っぱの葉脈の線だけを薄くしましたが、今回は葉っぱの外側の線の色も薄くします。
円の周りの葉っぱを塗ります。
使った色は先ほど葉っぱを塗ったときと同じです。
葉っぱの根元に紫色・249と緑色・159を重ね、それ以外の部分には緑色・159を塗ります。
円の中の葉っぱを塗っていきます。
緑色・159で、円の中の葉っぱを少しだけ薄く塗ります。
円の中の葉っぱは輪郭をぼかして見せたいので、葉っぱの線から少し余白をとって色を塗ってみました。
円の中をピンク色・129で塗ります。
先ほど塗らなかった葉っぱの中の余白も、ピンク色で塗ってしまいます。
円の中の緑色やピンク色をぼかし、なじませるように、白色・PC938を重ねます。
あとは、円の周りの葉っぱを整えたり、円の中のピンク色を整えたりして完成です。
う〜ん……?透け……?透けてる?
ちょっとなんとも言いがたいできあがりになってしまいました。
透けているように見せて塗るのはこれが初めてなので、方向性がこれで合っているのかわかりませんが、あまりきっちりきっちり塗らないほうがよかったかもしれません。
もともと線に沿ってきっちり塗るのが好きなので、輪郭をぼやかすのは私には難易度が高すぎましたね……。
う〜!透け感って難しい!
終わりに
今回は、白い色鉛筆で黒い線を消すことをテーマに色々試してみました。
黒い線の色を薄くすることはできましたが、それを実際に塗り絵で使うとなると、なかなか難しいですね。
白で線を消すだけではなく、そのあとに色を塗ることまでを考えると、自分のイメージに近づけるためには、塗り方の研究が必要だなと感じました。
さて、白い色鉛筆の使い方実験はこれで終わりです。
全3回お付き合いくださってありがとうございました。
白い色鉛筆の使い方についてご質問をいただかなかったら、私自身、白い色鉛筆を使うことはなかったと思います。
自分の思いつくままにあれこれ実験できて、勉強になったし選択肢を増やすこともできて、とても楽しかったです。
ご質問くださって、ありがとうございました。
もっと効果的なアドバイスができたらよかったんですが、白い色鉛筆はほぼ未経験だったので、みなさんも一緒に実験をしている気分を味わってもらえたらなと思い、今回はこのような形でご紹介させていただきました。
色々とつたないところだらけの実験になってしまいましたが、何か少しでもご質問者さんやみなさんのヒントになることがあれば幸いです。
実験はこれで終了ですが、次からは、白い色鉛筆も使って実際に塗り絵作品にチャレンジしたいと思います。
その様子もまたご紹介していきますね。
それではまた〜。