今日はパズル塗り絵に関するご相談をいただきました。
私は最近、パズル塗り絵ばかりやっています。
自分で配色を考える必要も技術もいらないので完成も早く、気楽に、無心になって塗れるので好きです。
でも、パズル塗り絵の気楽さに味を占めて、普通の塗り絵をしなかったら、上達どころか手や脳はどんどん技術や工夫を忘れていきそうで不安でです。
そのため、普通の塗り絵もしようとするのですが、配色を考えるだけで疲れたり、やけに緊張して少し塗っただけでどっと疲れたり、塗った後で変じゃないかなと不安にかられたりしてあまり楽しめず、ついパズル塗り絵に逃げてしまいます。
パズル塗り絵はストレスのはけ口としてガシガシ塗っていて、工夫も丁寧さもない塗り方だからか完成しても達成感などは特になく、「はい、1ページ上がり。次!」って感じで、作品というよりは消耗品のようです。
(そんな感じで、パズル塗り絵本はもうすぐ丸3冊塗り終えます。)
自由に色を選んだり、塗り方を工夫することを楽しんだり、達成感を得られるところが大人の塗り絵の良さなのに、その良さを楽しめない、面倒だと感じる自分は、もしかして塗り絵に対して冷めてきてしまったのだろうか……?とモヤモヤしています。
ー中略ー
誰々さんみたいにとかは関係なく、塗り絵の腕は私なりに上達させていきたい。
でもあれこれ考えたり工夫するのはしんどい。
こんな私は矛盾しているんでしょうか?
勝手な想像ですが、ちづるさんは、パズル塗り絵など誰が塗っても同じ仕上がりになるものは物足りないと感じるのではないかと思うんですが、パズル塗り絵ばかりやって自分なりの工夫をしない(できない)今の私のような人間は、ちづるさんから見てオリジナリティがないと感じますか?
さて、いかがでしょうか。
パズル塗り絵が好きな人はたくさんいらっしゃると思います。
もしかしたら、中には、この方のように、パズル塗り絵とそれ以外の塗り絵の間で悩まれている方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回のご相談の文章を読んで、率直に感じたことがあります。
それは、ご相談者さんが「大人の塗り絵はこうあるべき」というものに強く縛られてしまっているということです。
今回はこの点について詳しく考えていきたいと思います。
「こうあるべき」に縛られてしまっていませんか?
ご相談者さんが感じる大人の塗り絵の良さは、「自由に色を選んだり、塗り方を工夫することを楽しんだり、達成感を得られるところ」とのこと。
もちろんそれも良さとしてありますよね。
ただ、ご相談者さんの場合、大人の塗り絵は
・自由に色を選ばなきゃいけない
・塗り方を工夫しなければいけない
・達成感を味わないといけない
のような「こうじゃないといけない」という意識が強いように感じられました。
ご相談者さんは、ご自身が挙げる「塗り絵の良さ」に該当しないパズル塗り絵をしていることをダメだと思ってしまっていませんか?
さらに、こうあるべきと考える大人の塗り絵を楽しめていない自分はダメだ……とまで思ってしまってはいませんか?
ご相談者さんが挙げる「塗り絵の良さ」を否定するつもりは全くありません。
私も、自由に色を選べたり工夫できるところが楽しくて塗り絵をしていますからね。
ただ、1つ忘れないでほしいのは、「大人の塗り絵」は必ずしも塗り方を工夫しないければいけないとか、オリジナリティを出さなきゃいけないなんてことは何ひとつないということです。
ご自身が塗り絵に対して抱く「こうじゃなきゃいけない」というイメージ。
一度リセットしてみませんか?
自由に色を選ぶのが疲れるなら、使う色を限定してみる。
工夫?
大丈夫大丈夫!
イラストの線画だけで十分素敵だから、何か特別な工夫をしなくても、あなたが色を塗るだけでイラストの魅力は倍増します。
「こうじゃなきゃいけない」という枠組みの中で考えない。
「こうじゃなきゃいけない」を全部とっぱらって、どうしたら自分がストレスなく楽しめるのかに重点を置いて考えてみてください。
パズル塗り絵が好き!良いじゃん良いじゃん!
ご相談者さんはストレスのはけ口としてパズル塗り絵をしているということですが、良いじゃないですか!
心ゆくまでどんどん塗りましょう!
塗り絵は、集中して塗ることでストレスが軽減されるとも言われていますしね。
自分で配色を考える必要も技術もいらないので完成も早く、気楽に、無心になって塗れるので好きです。
この一文に、ご相談者さんの「パズル塗り絵が好き」という気持ちがとてもよく表れているように感じました。
普通の塗り絵について、配色やグラデーション、塗り方を工夫することに対する憧れがある。
しかし、実際は塗ろうとしても配色を考えるだけで疲れてしまい、思うように楽しめない。
そして、憧れとは異なるパズル塗り絵が楽しい……。
憧れる気持ち、わかります。
私も塗り絵ではありませんが憧れていることがあって、自分の理想として紙に書き出していました。
でも、書いてもイマイチ実感が持てずあんまりワクワクしない……。
そのことに気づいて書いたのがこちらの記事です。
憧れていることが、必ずしも自分にとって心地よいことだとは限らないということがあります。
ご相談者さんの、普通の塗り絵に対して抱く「上達したい」という気持ち。
でもそれが今はしんどいという気持ち。
この2つの気持ちが矛盾しているとは思いません。
ただ、「今の」ご相談者さんにとってストレスなく心地良く楽しめるのは、パズル塗り絵のようですね。
そう。
たまたま、今のご相談者さんには、普通の塗り絵よりもパズル塗り絵が合っているというだけなんです。
疲れることを無理して頑張る必要なんてどこにもありません。
そして、それができないからといって、あなたがダメなことには決してなりません。
憧れの気持ちはモチベーションにもなるので、ぜひ大事にしてください。
今、パズル塗り絵がしたいと思うなら、どんどん楽しみましょう!
そして、後々普通の塗り絵もやりたい!と思えるようになったら、そのときはまたご相談者さんのペースで再開しましょう。
時間が経てば、また状況も心境も変わるかもしれません。
自分の気持ち、求めるもの、やりたいことはどんどんアップデートして、その時々の自分の気持ちを何よりも大事にしてください。
「こうあるべき」なんてことは何もありません。
「こうあるべき」を取っ払った上で、今のあなたが本当にしたいこと、求めることはなんですか?
ちづるだったらこうします
私がご相談者さんだったらどうするかな?というのを想像してみたんですが。
私だったら、気が済むまでパズル塗り絵を塗り続けるでしょうね。
塗る過程も写真にバシャバシャ撮って、ここが魅力なのよ!楽しいのよ!という気持ちと一緒に全てをブログに書きそうです(笑)。
ちなみに、私はパズル塗り絵を1冊だけ持っています。
頭を使わずに無心で塗るために買いました。
パズル塗り絵には、オリジナリティとかそういったものは一切求めていません。
色も塗る場所も決まっている。
塗り進めていくうちに少しずつ絵柄が浮かび上がっていく。
「アハ体験」のような感覚を味わえるのが、パズル塗り絵の魅力だと思っています。
だから、パズル塗り絵をする方にはぜひ途中経過の写真もSNS等に投稿してほしい。
パズル塗り絵をする様子を追体験させてほしいな、なーんてこっそり思ってます(´∀`)
ちなみに、ご相談者さんはパズル塗り絵を3冊終えるとのことですが、パズル塗り絵を1ページ目で挫折し、ほかの塗り絵もあちこち中途半端な私から見たら本当にすごいことだと思います。
1冊塗りきるだけでも相当すごい。
これだけパズル塗り絵に没頭できることは、もはや一種の才能ではないでしょうか。
もしかしたら、いつか出版されているパズル塗り絵を完全制覇しちゃうなんてこともあるかもしれませんね。
(想像するだけですごい……!)
↑ 早々に挫折しました。
終わりに
いかがでしたか。
今回、回答を考えてて、「私って塗り絵に関しては本当に欲望に忠実なんだな……」と改めて感じました。
やりたいことには二の足を踏んでしまうこともありますが、「やりたくない!今その気分じゃない!」という感情にはかなり忠実です。
「あ、なんかストレスかも!」と感じ始めたらすぐ休んじゃいます。
だって我慢してまでやることじゃないから。
せっかく出会えた大事な趣味だからこそ、飽きることなくストレスを感じることなく、いかに自分が心地よく楽しめるかが大切。
趣味として長く楽しんでいけるように、ぜひ、自分の考え方や感じ方のクセを知り、自分を心地よく楽しませる工夫をしてみてください。
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