今日は、昨年の私のあるエピソードについてお話します。
「あ〜、私固執していたんだな〜」と感じた出来事です。
昨年の前半、私は色辞典を使った同系色重ね塗りに夢中になっていました。
青系、赤系、緑系……と同系色の色鉛筆を抜き出し、その中から2~3色ずつ選び、色の組み合わせを変えながら塗っていました。
同系色の中でも、使う色の組み合わせを変えることでどんな違いが生まれるのか。
なんだか研究しているみたいで楽しかった。
そして同系色の重ね塗りを一通り終え、次は隣り合う色相の重ね塗りをしようと決めました。
黄色系、黄緑系、緑系の色鉛筆を抜き出して、その中でいろんな組み合わせを試そうとしました。
しかし、おかしい。
楽しみにしていたはずなのに、いざ塗り始めると全然筆が進まないのです。
気持ちも乗らない。
塗っていてもなんだかあんまり楽しくない。
どうしたんだろう?
そして気づきました。
実は他にもやりたいことがあったのに、「次は隣り合う色相の重ね塗りをしなきゃ」と自分を縛っていたことに。
ちょうどその頃、色辞典とは別に新しい油性色鉛筆が欲しくてたまりませんでした。
色辞典の重ね塗りであれこれ試してみることは本当に楽しかったし、トーンを考えて色を選ぶことは勉強にもなりました。
しかし、知らず知らずのうちに自分の中で色辞典の重ね塗りが「義務」になっていたのです。
同系色は一通り終えた。
じゃあ次は隣り合う色相の重ね塗りをしなきゃいけない、と。
やりたい気持ちもあったけれど、そのときは「やりたい」よりも「やらなきゃ」という意識の方が強くなってしまっていました。
だから楽しくなかったのかもしれません。
自分は色辞典の重ね塗りに固執しているのかもしれない。
そう気づき、そのページは塗りかけでやめました。
それからは、やりたかったコロリアージュ切り絵をしたり、欲しかったポリクロモス油性色鉛筆を購入したり。
コロリアージュ切り絵は自分にとって初めてのことでしたが、新鮮でとても楽しかったです。
また、ポリクロモス油性色鉛筆は、色辞典の使い方に縛られてしまっていた自分にとって、視界が開けたような気分になりました。
固執しているものを思い切って手放すと、新しい世界が見えるんだ!
そう感じた出来事でした。
塗っていて楽しくない、気分が乗らない、筆が進まないという人へ。
理由はいろいろあると思います。
単に疲れているからとか。
たまたま塗り絵の気分じゃなかったとか。
塗ってみたら思っていたのと違ったとか。
もしどれも当てはまらなければ、何か固執していることはないか振り返ってみてください。
自分でも気づかないうちに、「こうしなきゃ」と思ってしまっていることはありませんか?
あれば、その固執していたことから少し距離を置いてみてください。
自分は変にこだわりすぎていないか。
それに気づくことができると、見えるものが少し変わってきますよ。
余談ですが、このときやめた塗りかけのページ。
未だ再開には至っていませんが、ものすごく後ろ髪を引かれるのでぜひいつか完成させたいです。