今日はこちらのご相談です。
はじめまして。
いつも参考にさせてもらっています。
最近、自分の塗り絵に納得できなくて悩んでいます。
わたしには尊敬している方がいるのですが(塗り絵の上手な方です)その方のように塗れるようになりたくて、いつも(と言っても最近は塗り絵自体してないのですが)真似をすることにしました。
なのですが、出来上がる前に(ひとつのパーツが出来上がったときなど)なんか違う……となり消してやり直してしまいます。
そのためなかなか進まず、そもそも塗り絵に割ける時間があまりないのもあり、塗り絵自体から離れています。
本当はやりたいのですが、どれもお気に入りの本というのもあって上手に塗れないのが嫌で……
すごい悪循環です。
こういう時、まずどこから手をつければいいのでしょうか。
ほかの人の素敵な塗り絵作品を見て、「こんな風に塗ってみたい」と思うことありますよね。
私もよく思います。
今回は、私がご相談者さんのように悪循環に陥ってしまったらどうするか。
そして、新しい塗り方を学ぶときの目標設定について。
この2点をお話しします。
なお、ご相談者さんは「真似をする」という表現をしていますが、「お手本にして塗り方を学ぶ」という意味と解釈してお話を進めていきますね。
実際に塗っていて楽しいかどうか
今回ご相談をいただいて、6月の自分のツイートを思い出しました。
素敵作品見ると「自分はこんなにすごくは塗れないな」って今でもたくさん思うけれど、結局自分が好きな塗り方が1番夢中になれるしものすごく楽しめることを再確認した。他のすごい誰かになろうとする必要は全くなくて、自分の好きな塗り方に夢中になることが1番楽しい。
— ちづる🐰ぬりえライフ (@chizurumaro) 2018年6月3日
この頃グラフィック社さんからご依頼をいただいて、久しぶりにがっつり塗り絵をしました。
出版社からの依頼だから、ちゃんと塗らなきゃ!
でも締め切りがあるから、あんまり時間もない!
となると、いつも通りの自分の塗り方をするのが1番早いんですよね。
文字通り必死で(笑)塗っていた中で、つくづく感じたのが、
「『こんな風に塗りたい』と憧れることはあるけれど、自分の塗り方が1番楽しく感じる」
ということでした。
自分が楽しいと感じる塗り方をするのが、1番楽しい!
これに気づいて以来、自分の中で何か吹っ切れたみたいです。
もちろん今も素敵な塗り方に「いいな~」と憧れはするけれど、自分が同じように塗れなくてもあまり気にならなくなりました。
今回のご相談を読んで気になったのが、
ご相談者さん自身は、尊敬する人の塗り方を真似て塗ってみて、楽しいと感じることができているかな?
ということでした。
先ほどの私の経験から思うのは、
良いなと思う塗り方と、実際に自分が塗っていて楽しいと感じる塗り方は、必ずしもイコールとは限らない
ということ。
私がご相談者さんと同じように悪循環に陥ってしまった場合は、尊敬する人の塗り方を真似るのは一旦やめます。
やめるけれど、憧れの塗り方は、諦めずに心の中に持っておく。
そして、今、自分が楽しいと感じる塗り方をします。
私が塗り絵をする上で1番重視していることが、「楽しさ」だからです。
それが今までの自分の塗り方であれば、その塗り方をとことん楽しみます。
どんな塗り方を楽しいと感じるか、こればかりはご相談者さん自身にしかわかりません。
塗っていてどういうところを楽しいと感じるかは、人それぞれですからね。
塗り絵に割ける時間もあまりないとのことなので、もしかしたら、今は難しい塗り絵をする余力があまりない、ということもあるかもしれません。
新しい塗り方を学ぶのは、慣れていないと結構頭を使いますし、ほんの少し塗っただけでも疲れてしまうことがあります。
あまり思いつめすぎず、少し意識するポイントを変えてみてください。
さて、次は目標設定についてのお話です。
尊敬する人の塗り方をやっていて楽しいと感じることができている場合は、ぜひ次の項目も見てみてください。
最初から100%完璧にしようとするのをやめる
ご相談者さんと尊敬する人は別の人間なので、真似たとしても、最初から同じように塗るのは難しいと思います。
たとえ塗り方が同じだとしても、微妙な力加減や色鉛筆の動かし方などで、出来上がりが違ってくる可能性があるからです。
そこで、目標を段階的に設定してみるのはいかがでしょうか。
たとえば、尊敬する人の塗り方を100%だとすると、最初はその3割くらい近づけられたらOK。
次は、50%くらい近づけられるように。
次は、70%くらい……。
と、目標の段階を少しずつ上げていくのです。
それぞれ別々の作品で目標を設定しても良いですし、1つの作品の中でパーツごとに目標を設定するのも良さそうですね。
(1つ目のパーツは、まず真似してみる。
2つ目のパーツは、30%くらい近づけられるようにしてみる。
3つ目のパーツは、50%くらい……という感じで。)
そして、目標に向かって進んでいく中で、「もっとこんな塗り方も試してみたい」と新しいことを思いつくことがあるかもしれません。
最初は真似かもしれませんが、少しずつ自分の力加減や色鉛筆の動かし方などと組み合わさって、新しい「自分の塗り方」につながっていくといいですね。
「何か違うな」という違和感から塗り方を研究する
出来上がる前に(ひとつのパーツが出来上がったときなど)なんか違う……となり消してやり直してしまいます。
とありましたが、真似てみたときに「なんか違う」と感じるその違和感が、結構大事なんじゃないかなと思います。
「何か違うな」と感じたら、消してしまう前に、何が違うのか1度考えてみましょう。
次のパーツを塗るときは、少し塗り方を変えてみるなど、新たな対策もできます。
また、1つ目のパーツと2つ目のパーツを見比べることで、何か発見があるかもしれません。
お気に入りの塗り絵本ばかりとのことなので、失敗したなと感じるものを残しておくのは抵抗があるかもしれません。
しかし、レベルアップするため、塗り方の研究のためと考えて、1ページだけ練習用として塗ってみるのはいかがでしょうか。
達成感を感じやすくする工夫をする
今回のお話に限らずどんなことでもそうだと思うのですが、何か目指すものがあるときは、ゴールまでの道のりを細かくスモールステップに分解してみてください。
段階的に目標を設定するのが重要です。
そして、最初のハードルは、今の自分がちょっと頑張ればすぐ乗り越えられそうなレベルに設定します。
少しずつ段階的にハードルのレベルを上げていきましょう。
こうすると、達成感を感じやすくなります。
達成感を感じることができると、楽しく感じられるので、目標設定は小さく細かく設定するのがオススメです。
道のりの途中に現実的な小さなゴールをいくつも設けると、つねに少しずつ積み重ねているという感覚も生まれるので、がんばって先へ進む意欲が高まる。
ー「ブレイン・プログラミング」(アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ)
まとめ
自分の塗り絵に納得できない、悪循環に陥ってしまったときは、
・自分が楽しいと感じる塗り方をする
・目指す目標は段階的に設定して、小さな達成感をたくさん味わう
終わりに
最初は「こんな風に塗れたらいいな」からスタートしたのに、いつの間にか「こうじゃなきゃいけない」と自分で自分を縛ってしまっていませんか?
せっかく塗り絵に出会えて、尊敬する人にも出会えたのに、塗り絵をすること自体が苦しくなってしまうのはもったいないですよね。
今回のご相談者さんの文章を読んでいて、「本当はやりたいけれど、思うようにできない」というジレンマみたいなものを感じました。
そういうときこそ、「どうだったら自分は楽しいと感じるか?」に注目してみてください。
自分が楽しいと感じる塗り方を、まずは1番大事にしてほしいです。
その上で、余裕が出てきたら、また少しずつ新たにステップアップを目指して頑張ってください。
ではまた次回〜。
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