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塗り絵をする人はもちろん、すべての「創る人」にオススメの1冊「BIG MAGIC」

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エリザベス・ギルバートさんの「BIG MAGIC」、先日久しぶりに再読しました。

著者のエリザベス・ギルバートさんはアメリカの作家さんで、映画「食べて、祈って、恋をして」の原作者でもあります。

食べて、祈って、恋をして (字幕版)

食べて、祈って、恋をして (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

「食べて、祈って、恋をして」はベストセラーになり、映画化までしましたが、著者は売れるまでの間、そしてヒット作を出した後、どのような心持ちや取り組み方で作品を書き続けてきたのか。

「BIG MAGIC」では、クリエイティブなことをする人に向けて、普段の取り組み方や、行き詰まったときの対処法など、参考になる考え方がたくさん紹介されています。

文章を書いたり、絵を描いたり、写真を撮ったり、動画を作ったり、お裁縫をしたり、料理をしたりなどなど、すべての「創る人」にオススメの1冊です。

私は塗り絵を数年続けてきましたが、本書を読んで、自分にも思い当たること、参考になる考え方がたくさんありました。

今日は、そのなかから特に印象に残った点をご紹介します。

【目次】

 

作者である自分と、作品との間に適切な距離をとる

著者は若い頃から書くことが好きで、作家になると決めて書き続けてきました。

そのなかで、

・上手くいかなかったときにすべてを自分のせいにしないこと
・できた作品を神聖視したり、自分の子どものように扱わないこと

というように、作者である自分と作品との間に、いつも一定の距離を取るようにしているなと感じました。

具体的に見ていきましょう。

 

アイデアは生きている

この本を読んで1番面白かったのが、「アイデアは生きている」という考え方でした。

みなさんは塗り絵をするときに「こんなふうに塗ろう!」というアイデアをもとに塗り始めますか?

それともその日の気分で自由に塗りますか?

私はアイデア重視派です。

著者によると、アイデアは意志を持っていて、自分を表現してくれる人間を探し求めているとのこと。

つまり、自分がアイデアを思いつくのではなく、アイデアが自分のところに来てくれる。

こういう考え方なんですね。

 

アイデアは長く止まってくれることもあれば、一瞬で通り過ぎて行くこともあります。

アイデアを表現する準備が整っていなかったり、いつまでもアイデアを実行に移さなければ、アイデアは別の人を探して去っていってしまうんだそうな。

実際に、著者の持っていたアイデアが、友人の作家さんに移ってしまったという、不思議なエピソードが紹介されています。

私も塗り絵のアイデアが思いつくことはありますが、何せ塗るのが遅いので、なかなか実行できないでいるうちに、アイデア自体に興味がなくなってしまったり、ほかに興味が移ってしまったりということがこれまで多々ありました。

アイデアって生きてるんですね……。笑

久しぶりにこの本を読んで、思いついたアイデアはどんどん実行しなきゃもったいないなと感じました。

さて、このアイデアについての考え方、遠い昔からあったそうです。

  

才能ある人にはゲニウスがとりついている

著者が調べたところによると、古代ローマでは「インスピレーションを授けてくれる守護神」がいて、「ゲニウス」と呼ばれていました。

ゲニウスは「天才」を意味するgeniusの語源となった言葉です。

「非常に才能豊かな人はその人自身がゲニウスなのではなく、ゲニウスがとりついていると信じられていた」(p.83)そうです。

 

作品が成功したら「ゲニウス」のおかげでもあるので、自分の能力を過信せず自分に酔いしれずに済みます。

もし作品が失敗しても、「ゲニウス」と協力した結果であるので、作者1人のせいにはなりません。

自分とは別に「ゲニウス」という存在があると考えることによって、作品に対する評価をすべて自分で背負わずに済むのです。

 

先ほどの「アイデアは生きている」もそうですが、この考え方をすると、作者自身と作品との間に、ある程度の距離をとることができるなと感じました。

今はSNSなどを通じて、自分の作品を世界中に発信することができる時代です。

作品に対してどう思われるか、反応が気になって一喜一憂してしまう……ということはありませんか?

私も最近では少なくなりましたが、一時期はSNSなどで人の反応が気になって仕方ありませんでした。

 

でもこの考え方を取り入れると、作品への評価と作者自身に対する評価はイコールではないと考えることができます。

つい周りの反応に一喜一憂しがちな現代だからこそ、作者自身と作品との間に距離を取る。

それによって、作品作りも発信することも気楽になるのではないかなと感じました。

  

作品はあなたの子どもではなく、あなたこそが作品の子ども

できあがった作品も確かに大事だけれど、作品そのものよりも大事なのは、作品を作る過程で何を得たか、自分をどのように成長させてくれたかだと、著者は言います。

「今まで書いてきたすべての作品なくして、今の私はありません。」(p.264)

これは、本書のなかでも特に好きな考え方でした。

 

私も塗り絵を通してたくさん成長させてもらいました。

塗り方の技術はもちろんですが、それよりも、考え方や取り組み方が昔より大きく変わったなと思います。

塗り絵を始めてから、自分は何が好きか、どんなふうに生きていきたいかを深く考えるようになり、それが少しずつ日々の生活にも反映されてきました。

ここ数年は、人として育ち直しているような感じがしています。

 

作品に対して思うとおりの反応が得られなくて悩んだり、評価されるのが怖かったりすることはあると思います。

そんなときは、作品そのものを意識するのをやめて、作品を作る過程で自分がどれだけ成長できたかを考えてみてください。

新しく始めるのが怖いときは、これから自分がどれだけ成長できるかを想像してみるといいと思います。

作品が自分を成長させてくれる。

こう考えてみたら、少し肩の力を抜いて取り組めそうな気がしました。

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クリエイティブなことをしていると、周りからの評価が気になることはよくありますよね。

でも、作品にとらわれすぎずに、どんどん作り続ける。書き続ける。

ベストセラーを経験した著者だからこそ、プレッシャーに押しつぶされないで創造的な人生をおくり続けるために、自分自身と作品との間に距離をとるような考え方をいくつも身につけてきたのかもしれません。

 

さて、ほかにも印象に残ったポイントが2つあったので、もう少しご紹介させてください。

 

完璧主義は社会からのメッセージを受け取った結果

完璧主義で、なかなか塗り絵を完成させられなかったり、新しい塗り絵を始めることができなかったりすることはありませんか?

これまでブログ読者さんやフォロワーさんのなかにも、完璧主義でなかなか塗り絵を進められないという方がいらっしゃいました。

私も新しい塗り絵を始めるときは、失敗したくなくて、ある程度見通しが立つまでは始めることができません。

 

著者の考えで興味深かったのは、男性より女性のほうが完璧主義の傾向が強いということ。

相変わらず多くの女性が、自分自身と自分の作品が文句のつけようもないほど完璧になるまでは、目立とうとしてはいけないのだと信じ込んでいます。(p.193)

この「目立とうとしてはいけないのだ」という表現が絶妙です。

そうなってしまった理由として、

社会が女性によこすメッセージがことごとく、「すべてを手に入れたいなら完璧であれ」と私たち女に強いてきたからにほかなりません。(p.194)

とのこと。

 

完璧主義は性格だと思っていたので、「社会から強いられてきた」という視点にハッとしました。 

ただ、日本の場合は性別にかかわらず、「失敗をしてはいけない」、「完璧でなくてはならない」という空気が強いような気がします。

 

社会から求められてきた完璧主義。

でも、自分の好きな塗り絵においてまで、社会からのメッセージを適用する必要はないですよね。

塗り絵に限らず、こういう創造的な分野は、本来もっと自由に楽しんでいいはず。

 

完璧主義でなかなか作品を完成させられない。

でも完璧主義は性格だしどうしようもない。

そう感じたら、「完璧主義は社会から強いられたもの」という視点を1つ持っておくと、取り組む際に視野を広く持てて、少し気が楽になるのではないかなと思いました。

 

少なくともやってみる権利が自分にはある

塗り絵で、アイデアや配色がほかの人と被るかもしれないという心配をしたことはありませんか?

過去にそのようなご相談をいただいたことがあります。

www.chizurumaro.com

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「アイデアは生きている」らしいので、アイデアが色々な人を渡り歩いた結果、同じようなアイデアを思いついて実行している人がいてもおかしくないのかもしれません。

著者は、そのアイデアはもうどこかで誰かによって手をつけられているかもしれないけれど、それはあなたの手によってではない、と言います。

だからアイデアをあなたの手で形にしてみよう、と。

 

これは私も同感です。

たとえ発想のスタート地点がほかの人と同じだったとしても、どのイラストで、どの配色で、どんな塗り方で表現するかによって、できあがる作品はそれぞれ違ったものになるでしょう。

配色や塗り方をわざと似せていこうとしない限りは、必ず違いが出てきて、作品に個性が表れてくるはずです。

 

本書のなかで印象的だったのが、

「少なくともやってみる権利が自分にはある」

という言葉。

アイデアを思いついたり、新しいことを始めようかなと考えたりしたときに、

「私には無理だろうな……」

「もっと上手な人がたくさんいるだろうし……」

という気持ちが顔を出してきたら、「少なくともやってみる権利が自分にはある」という著者の言葉を思い出してみてください。

あなた自身の表現方法と情熱を、そのアイデアに注ぎ込んでみてはどうでしょうか。

そのアイデアはきっと、あなたのものになるはずです。(p.117)

あなたの手によって、アイデアがどんなできあがりになるのか、ぜひご自身の目で確かめてみてください。 

 

「BIG MAGIC」が気になる方にはTEDもオススメ

著者のエリザベス・ギルバートさんはTEDに出演しています。


Your elusive creative genius | Elizabeth Gilbert

(日本語字幕をつけてご覧ください。)

こちらは「BIG MAGIC」を出版される前のスピーチです。

スピーチの中には、本書に出てくるお話もあります。

私が今回このブログ記事でご紹介した内容よりも、より全体像をつかみやすくなると思うので、「BIG MAGIC」が気になる方は、ぜひTEDも見てみてください。

私は詩人の女性がアイデアをつかまえるエピソードが好きです(10:12頃)。

 

終わりに

この本がとても好きで、私自身塗り絵をするなかで、共感するところや参考になるところがたくさんあったので、今回ご紹介させていただきました。

ちょっとスピリチュアルなのかな?と思うところもあったかもしれませんが、著者の主張はいたって現実的です。

「手を動かし続けることが大事」。

でも創り続けるなかで苦しくなることってありますよね。

そんなときに、「こんな考え方があるよ」「こういうふうに考えたらどう?」というように、乗り越え方をアドバイスしてくれるのです。

もっと気楽に、軽く、でもひたむきに、創ることを楽しもう。

そんな著者のメッセージが込められています。

私がご紹介したのは一部なので、ぜひ1冊通して読んでみてください。

 

今回は長文になってしまいました。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

こういう読書感想文的なものは苦手なので、読みにくかったらごめんなさい。汗

次回はまた塗り絵に戻りますね。

それでは~。

 

 

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